2025.08.08

日本の葬儀の歴史に学ぶ、「死」との向き合い方

葬儀と聞くと、故人との最後のお別れを想像しますよね。しかし、葬儀には「終わりの儀式」と、「始まりの儀式」、この二つの側面があります。
この考え方は、日本の歴史を遡ると、より深く理解することができます。
日本最古の葬送儀礼「殯(もがり)」
日本の歴史上で、現在の葬儀につながる最古の儀式とされるのが「殯(もがり)」です。古代の人々は、亡くなった方をすぐに埋葬せず、「喪屋(もや)」と呼ばれる仮小屋に安置しました。これは、死者が息を吹き返すことを願う「蘇生信仰」が背景にあったとも言われています。
故人との別れを具体的に受け入れ、悲しみに向き合うための重要な時間だった殯は、現在の葬儀における「通夜」や「枕飯」といった風習のルーツにもなっています。